元日本テレビのニュースキャスター、丸岡いずみさんは東日本大震災の取材を引き金に鬱病を発症した。地方局のアナウンサーからキー局の記者、キャスターに転身し、走り続けてきた丸岡さん。鬱病を経験したことで「休むことも生きること」と知った。(文・油原聡子)
最初に異変に気づいたのは平成23年7月でした。眠れなかったり、食欲がなかったりした日が続きました。「疲れているし、体調不良かな」と思った。当時は夕方のニュース番組「news every.」のキャスター。震災の取材も定期的に続け、休むことは考えられなかった。
体調はどんどん悪化しました。下痢が続き、一睡もできない日が続きました。そして8月29日、民主党代表選挙の日。今まで感じたことのない不安を覚えながら会場のホテルで取材し、番組に出演しました。普段ならすらすら読める文字でも自信がなく、山や川など簡単な文字にもルビを振りました。放送中、「これが終わったらもう無理だ」と思いました。限界だった。