立ち仕事や座ったままのデスクワークなどで、足のむくみが気になる“足のむくみワーカー”が増えている。疲れて帰宅し、お風呂でマッサージしても翌日だるさが抜けきらない。寒さが増し体が冷えると、よりむくみやすくなるこの時期、専門家は「足を動かして、ふくらはぎにある筋ポンプを働かせることが重要」と話す。
足のむくみに悩む“足のむくみワーカー”は販売員や飲食店、美容師など立ち仕事やデスクワーク中心の事務職の人に多くみられるという。総務省の国勢調査(平成22年度)によると、15歳以上の男女のうち立ち仕事または座り仕事中心の職業に従事する人は、約2500万人以上に上る。
足のむくみ対策として、ふくらはぎなどの上を転がすローラーや、圧力をかけて血行を促すストッキングなどの健康系グッズは隠れた人気で、スーパーやコンビニエンスストアでも根強い需要がある。最近では医薬品を使った対策法も注目され、例えばエスエス製薬が発売した血管の強化と血流促進によって足のむくみを改善する内服薬「アンチタックス」は30~50代の女性を中心に売れ行きが好調という。
ドイツ式の本格フットケアをはじめ、足のむくみの原因や改善法をアドバイスする「サロン ド ピュアボディ」を東京・銀座で主宰する大多和圭子さんは、「むくみを感じたら、マッサージや運動でそのつど解消し、不調を持ち越さないことが大切」と指摘。簡単にできるおすすめのフットケアとてして「デスクワークの合間にイスに深く腰掛け、骨盤を立たせるようなイメージで座り、足首を上下運動させる」とし、「階段では、かかとを下げず、足の前方を使って上り下りし、筋肉を収縮させるように意識するとむくみにくい足になる」と説明する。
冷えで血行のめぐりが悪くなりがちなこの季節、運動不足や連日連夜の忘年会などで体調を崩すケースも少なくない。日常生活の中で簡単にできる足の健康法など、早めの対策が肝心といえる。