■「自宅で最期」4~5割
最期は入院して管につながれたりせず、家で枯れるように死にたい-。そう考える人は多いが、家族や地域のつながりが薄れる中では困難に見える。しかし、中には「単身でも、希望すれば何とかなる」とする地域もある。滋賀県東近江市の永源寺地区は、自宅で亡くなる人が4~5割に上る。中山間地でもコミュニティーは薄れつつあるが、医療職や介護職が地域づくりにも働きかけている。(佐藤好美)
日頃から意思確認
「ご飯が食べられなくなったら、どうする? 病院に行く?」
東近江市にある永源寺診療所の花戸貴司医師は在宅患者に日頃から聞く。病状が深刻なときだけでなく、元気なときもだ。多くの高齢者がこう応える。「どこにも行かん、家にいるわ」「なんかあったら、先生に診てもらうわ」
花戸医師は「日常会話の中で、その都度聞いています。人の気持ちは揺れ動くし、本心を語ってもらえないこともある。普段から聞いておけば『なんで、今聞くの』と思われずに済む。死をタブー視せず、当然のこととしておくと、皆さん、しっかり考えて本当に雄弁に語ってもらえる」と話す。