「本当はなりたい」6割超
だが、待遇面でのミスマッチもある。厚労省が5月に全国で実施した調査によると、保育士の資格をもつハローワークでの求職者3万2千人のうち、半数の1万6千人が保育士としての就業を希望していなかった。
希望しない理由として最も多かったのは、「賃金が希望と合わない」で、47.5%。「他業種への興味」(43.1%)のほか、子供を預かる仕事ならではの「責任の重さ・事故への不安」が40.0%、また「健康・体力面での不安」も39.1%と多かった。
一方で、これらの原因が解消された場合、保育士としての勤務を希望すると答えた割合は63.6%にも上った。なりたい職業と思い描いて努力して資格を取得した若者は、本心としてはやはり保育士として働きたいと考えているようだ。
保育所は、日本経済の成長戦略においても重要な社会インフラだといえる。次代を担う子供を世話する保育士の就業環境の改善や意欲向上の促進は、待ったなしだ。(南昇平)