しかし大阪府内では、今年度は5月の時点で前年同月より0.29ポイント高い0.95倍。6月が0.37ポイント高の1・01倍、7月は0.45ポイント高の1.14倍まで上がった。25年2、3月の有効求人倍率は1.73倍だったが、来年1~3月はこれを大きく上回るのは確実だ。
同様の現象は待機児童が多い東京都や神奈川県でも起こっている。今年8月は東京が3.21倍、神奈川は1.39倍。都心での保育士不足は深刻な状況だ。
背景には、安倍政権が掲げる「待機児童解消加速化プラン」がある。25、26年度の2年間で約20万人分の入所枠を整備できるよう、国が自治体を財政的に支援するものだ。入所枠の拡大はまかなえても、肝心の保育士不足解消には追いつけていない現状が浮き彫りになっている。
国では同時に、認可外保育所で働く人に保育士資格を取得するための受講費用を支援▽私立保育所を対象に保育士の賃金上乗せ分を交付▽保育士の離職を防ぐための雇用管理に関する研修を所長向けに実施-といった取り組みも実施中。最終的に保育ニーズがピークを迎える29年度末までに、全国で待機児童を解消するとしている。