【リオデジャネイロ=細田裕也】まさかの初戦敗退から4年。2つめの銅メダルを取った「笑わない女王」が涙をこぼした。リオデジャネイロ五輪柔道女子52キロ級で銅メダルに輝いた中村美里(27)にとっては、ロンドン五輪のリベンジをかけて挑んだ大舞台だったが、目標だった頂点は遠かった。スタンドで声援を送った両親は、リハビリ経験を通した中村の成長に目を細め、声援を送り続けた。
「エリカ! エリカ!」
地元ブラジルのエリカ・ミランダ(29)への熱狂的な声援がカリオカアリーナにこだました3位決定戦。それでも持ち前の冷静さを失わず、勝利をたぐりよせた。
19歳で出場した北京五輪では銅メダルに輝きながら、「金メダル以外はどれも同じ」と言い放ち、以来、笑わない女王と呼ばれた。しかし、雪辱をかけたロンドン五輪ではまさかの初戦敗退。その後、痛めていた左膝の前十字靱(じん)帯(たい)の手術とリハビリのため、1年以上の休養を取った。