熊本県や大分県で続く一連の地震が、製造業のサプライチェーン(部品供給網)に大きな影響を与え始めた。トヨタ自動車は17日、18日から段階的に国内工場を停止すると発表した。グループの部品大手、アイシン精機の熊本市内にある生産拠点が復旧が遅れているためで、23日までに数万台の減産となる見通しだ。ソニーは画像処理を行う半導体を生産する熊本工場(菊陽町)の再開が遅れている。米アップルの「iPhone(アイフォーン)」向けに供給するなど、同社の業績を牽引(けんいん)する事業だけに、長期化すれば打撃となりそうだ。
挽回計画に遅れ
アイシン精機の工場停止により、ドア部品やエンジン部品の供給が滞る。トヨタ本体の組み立て4工場では、19日から高岡、堤両工場(いずれも愛知県豊田市)を休止。20日には田原工場(同田原市)も稼働を止め、元町工場(豊田市)も少量生産ラインを除いて操業を停止する。
15、16日の生産を止めていたトヨタ自動車九州の宮田工場(福岡県宮若市)は、23日まで休止を延長する。トヨタ車体なども生産調整を実施し、22、23両日はトヨタ、レクサス車両を組み立てる国内全30ラインのうち26ラインが止まる予定だ。