東日本大震災の発生から5年となった11日、政府主催の追悼式が東京都千代田区の国立劇場で開かれ、岩手、宮城、福島3県の遺族や天皇、皇后両陛下、安倍晋三首相らが参列し、地震発生時刻の午後2時46分に黙祷(もくとう)した。犠牲者を悼み、重い教訓をかみしめながら、引き続き復興に取り組むことを誓った。
3県の遺族代表は、失った家族や帰れぬ故郷への思いを語った。
岩手県宮古市出身の山本永都さん(22)は祖父を亡くし、消防団員として防潮堤の水門を閉めに行った大好きな父も帰らないまま。つらい気持ちを母にぶつけた時期もあったが「今では、住民の命を守ろうとした父を誇りに思う。父や祖父の分まで精いっぱい生きていく」と決意を口にした。
安倍首相は式辞で「被災者に寄り添いながら、魅力ある地方の創生につながるような復興を実現していく」と表明。
天皇陛下は「困難の中にいる人々一人一人が取り残されることなく、一日も早く普通の生活を取り戻すことができるよう、これからも国民が心を一つにして寄り添っていくことが大切と思います」と述べられた。
警察庁によると10日現在、震災の死者は全国で1万5894人、行方不明者は2561人。復興庁によると震災関連死は3410人、全都道府県で約17万4000人が避難生活を送る。