【熊本地震】北東側へ動く震源 異例の広域連鎖、誘発を警戒 (2/2ページ)

2016.4.17 08:48

熊本地震の経過と活断層(気象庁の資料を基に作成)

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  • 地震による火山噴火誘発の想像図

 地震はなぜ北東に広がったのか。東北大の遠田晋次教授(地震地質学)は阿蘇地方が火山地域であることを理由に挙げる。「地下には亀裂がたくさんあり、16日未明の地震を機にひずみが伝わり、反応する断層が出た」。隣接する断層で地震が連鎖した例は過去にもあるが、「これだけ広域に多発するとは思っていなかった」と明かす。

 名古屋大の山岡耕春教授(地震学)は「大分県は別府市などに温泉がある地熱地帯。地盤がひずみに敏感なため揺れたとみられる」と指摘する。

 日奈久、布田川断層帯は九州中部を東西に延びる「別府・島原地溝帯」という溝状の地形の南縁に位置する。遠田氏は「地溝帯の全域にわたって地震が起きやすい状況になっている」と警鐘を鳴らす。

 震源の拡大はどこまで続くのか。山岡氏は「大分県の地震は規模が小さいため、さらに東に延びることはない」とみるが、東北大の長谷川昭名誉教授(地震学)は「地溝帯に沿って離れた場所で地震が起き始めている。大分県などでさらに誘発されて地震が起きる恐れがある」と指摘した。

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