マザーボードについては、プリント基板製造ラインを持ち、基板製造も自社で行っている。以前は、一部の部品について手作業で挿入を行っていたが、今では全ての部品を自動実装している。また、はんだ付けによる実装部品への影響や、基板の切り出し方による曲げ圧力への影響など、基板製造の細かな改善を地道に積み重ねた結果、マザーボードの不良率を大幅に低減できた。
マザーボードの品質が悪いと、PCを組み立てた後の検査で不具合が発覚し、マザーボードを取り外して交換となるが、今ではマザーボード製造後に単体で通電検査を行っていた検査過程を省略し、自動目視検査装置でのチェックと、PCとして組み立てた後のエージング検査のみで済ませられるようになった。
これにより、マザーボードは3時間で製造でき、顧客からの注文がきて初めてマザーボードを製造する体制を確立した。また、PC組み立てにかかるリードタイムは2日間から12時間に大幅に短縮。ラインにつくオペレーターの数も1ライン当たり10~15人だったものを2~3人にまで減らした。同時に品質不具合は65%削減している。TIHスタッフによれば、マザーボード単体の検査工程を不要としたのは、PC業界で恐らく初という。不良率が低いからこそできる効率化である。