不良防止のポイント
さらに、TIHは部品メーカーとの距離の近さを生かし、供給を受けるだけでなく、パーツ単位での品質を高めるための協業も行っている。TIHの取引先部品メーカー数は二百数十社に上り、そのうちの7割が中国国内に工場があり、その中でTIHが「Special管理」「重点管理」と設定した二十数社に対しては、そのメーカーの製造工程にまで踏み込んだ品質改善活動を展開している。
例えば、特定の部品で不良が発生した場合、ただ改善要求を指示するだけでなく、そのメーカーの工場にTIH社員を派遣し、製造工程を子細に確認する。これにより、製造工程における何が起因となって不良に結びついたのかを発見し、その工程を改善するよう依頼することで、以降の不良の発生を防ぐ。
2つ目のポイントは、杭州の恵まれた環境と整備されたインフラ。TIHの拠点は「杭州経済技術開発区」の中の「輸出加工区」と呼ばれる区域の中にある。ここでは中国政府から安定した事業推進基盤が提供され、税制面でも優遇を受けられ、海外には非課税で出荷できる。そのため、この地域には四十数カ国の約800社が進出しているという。
その中でもTIHは、杭州政府ならびに杭州税関のサポートにより、TIH建屋内でのVMI(Vender Managed Inventory)倉庫の実現などの優位性も確立している。ちなみに、TIHへの入退出に際しては税関のゲートをくぐる。