【PC Watch】初公開、東芝PC開発・製造の心臓部(上) 中国生産を選んだ大きな理由 (1/6ページ)

2016.8.29 06:51

東芝情報機器杭州社の外観
東芝情報機器杭州社の外観【拡大】

  • マザーボードの製造ライン
  • 浙江省では初の10メートル電波暗室も敷地内にある
  • 工程は全て自動化されているが、最後は目視による検査を行い、品質に問題がないかを常にチェックする

 東芝は、4月にPC事業を担う社内カンパニーのパーソナル&クライアントソリューション社を、東芝クライアントソリューションに会社分割。海外B2C市場から事実上撤退するなど、PC事業の縮小を行った。

 「ついに東芝もPCをやめてしまうのか」との懸念もあるなか、今回、東芝のPC製造拠点である「東芝情報機器杭州社」(Toshiba Information Equipment Hangzhou:TIH)の生産ラインを取材する機会を得た。報道関係者に公開されるのはこれが初めてだ。

 同社の所在地は、中国浙江省の杭州。かねて東芝のビジネス向けPCを中心に開発、製造してきたが、PC事業の分社化に伴い、コンシューマー向けメインストリーム製品も受け持つこととなった。

 コスト削減と別次元

 中国での生産は、数多くの企業が行っているが、その多くの理由はコスト削減だろう。しかし、東芝が杭州に開発・製造拠点を構えたのには、目先のコスト削減とは別次元の狙いがある。TIHでは、杭州の地の利と、日本の品質、現地スタッフの創意工夫など、さまざまな要素を組み合わせた独自の生態系を築き上げているといえる。

 TIHの設立は2002年6月。03年4月に操業を開始し、04年4月には設計センターも立ち上げている。TIHは製造だけでなく、設計も行う総合拠点だ。11年6月には累計PC生産台数1000万台、14年7月には1500万台を達成している。

東芝が中国の中でも杭州を選んだのにはいくつかの大きな理由がある

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