無料通信アプリを手がけるLINE(ライン)が15日、東京証券取引所の第1部に新規上場した。午前10時35分すぎに取引が成立、初値は4900円で、公募・売り出し価格3300円を48・5%上回った。初値ベースでの時価総額は約1兆290億円で、今年最大のIPO(新規株式公開)となる見通しだ。
LINE株には買い注文が殺到し、なかなか取引が成立せず、人気の高さをうかがわせた。取引開始後は一時5000円台に乗せる場面もあった。
同社は14日(現地時間)にはニューヨーク証券取引所にも上場。終値は公開価格を26・6%上回る41・58ドル(約4380円)。東京市場ではこの株価を意識して売買の注文が出され、さらに高い初値となった。
LINEの国内利用者が約6800万人。圧倒的なシェアを誇る日本では、今後利用者数を拡大する余地が小さい。上場で調達した資金を海外投資や新規事業に充て、成長を目指す。利用者の約7割を占める日本、台湾、タイ、インドネシアに経営資源を集中する方針だ。
LINEは平成12年に設立。23年にスマートフォンなどで無料でメッセージのやりとりを無料でできるアプリLINEの提供を始めた。