【PC Watch】初公開、東芝PC開発・製造の心臓部(上) 中国生産を選んだ大きな理由 (4/6ページ)

2016.8.29 06:51

東芝情報機器杭州社の外観
東芝情報機器杭州社の外観【拡大】

  • マザーボードの製造ライン
  • 浙江省では初の10メートル電波暗室も敷地内にある
  • 工程は全て自動化されているが、最後は目視による検査を行い、品質に問題がないかを常にチェックする

 こういった地の利に、日本の設計力・ものづくり力を組み合わせているのが特徴だ。

 TIHではかねてdynabookを製造していた。主なものはビジネス向けのスタンダード機種や、モバイル向けだが、コンシューマー向けのものもタブレットや2in1などを請け負っていた。PC以外に車載製品なども手掛ける。

 そこに今回、コンシューマー向けのスタンダード製品が加わることとなった。具体的には「T85/75/55/45」シリーズの2016年秋モデルがそれに当たる。スタンダード製品ということで、目立ちにくいが、多くの点で改良が加えられている。

 例えば、パームレストの使いやすさ、0.2ミリのくぼみを持たせた指掛かりのあるキートップ、キーボード板金に付けた突起の支点による打鍵感と強度の向上や、76センチ落下テスト、高加速寿命試験の通過などだ。

 無償保証期間を延長

 もう1つ大きなポイントが、これらの製品のメーカー無償保証期間が従来の1年から2年に延長された点である。長期保証は、品質に対する自信の表れである。

 TIHでは、どのようにして高い品質を実現しているのか。まずは、設計から製造までものづくりに関わる部署が全てこのTIHに集約していることが挙げられる。CPU(中央演算処理装置)などのコンポーネントは外部からの調達だが、マザーボードや筐体などはTIHで設計している。設計と製造が常にフィードバックを相互に行うことで、例えば製造時に不良の出にくい設計などにつなげられる。設計センターには、ハード・ソフトの設計技術部のほか、試験・評価を行う認定技術部も抱えており、自前の電波暗室を使った試験も行っている。

マザーボードは3時間で製造可能に

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