こういった地の利に、日本の設計力・ものづくり力を組み合わせているのが特徴だ。
TIHではかねてdynabookを製造していた。主なものはビジネス向けのスタンダード機種や、モバイル向けだが、コンシューマー向けのものもタブレットや2in1などを請け負っていた。PC以外に車載製品なども手掛ける。
そこに今回、コンシューマー向けのスタンダード製品が加わることとなった。具体的には「T85/75/55/45」シリーズの2016年秋モデルがそれに当たる。スタンダード製品ということで、目立ちにくいが、多くの点で改良が加えられている。
例えば、パームレストの使いやすさ、0.2ミリのくぼみを持たせた指掛かりのあるキートップ、キーボード板金に付けた突起の支点による打鍵感と強度の向上や、76センチ落下テスト、高加速寿命試験の通過などだ。
無償保証期間を延長
もう1つ大きなポイントが、これらの製品のメーカー無償保証期間が従来の1年から2年に延長された点である。長期保証は、品質に対する自信の表れである。
TIHでは、どのようにして高い品質を実現しているのか。まずは、設計から製造までものづくりに関わる部署が全てこのTIHに集約していることが挙げられる。CPU(中央演算処理装置)などのコンポーネントは外部からの調達だが、マザーボードや筐体などはTIHで設計している。設計と製造が常にフィードバックを相互に行うことで、例えば製造時に不良の出にくい設計などにつなげられる。設計センターには、ハード・ソフトの設計技術部のほか、試験・評価を行う認定技術部も抱えており、自前の電波暗室を使った試験も行っている。