幸い市場環境はまだ明るい。メモリー市況は昨秋からのスマートフォンの販売の低迷で売価が下落したが、在庫調整が一巡し、最近は回復しつつある。さらに、メモリーを活用した記憶装置「ソリット・ステート・ドライブ(SSD)」の販売増も期待される。
20年にはデータ容量ベースの需要が15年の6倍に拡大する見通しだ。「東芝にとって、メモリー事業は成長ドライバー」(綱川社長)だけに、経営の足を引っ張ることは許されない。
再建に向けたもう1つの柱の原発事業の先行きが不透明なだけに、次世代の3Dメモリーの量産技術を確かなものにできるかが、東芝の将来を大きく左右しそうだ。(黄金崎元)