東芝と米ウエスタンデジタル(WD)は15日、記憶用半導体「NAND型フラッシュメモリー」を製造する四日市工場(三重県四日市市)に建設した新第2製造棟の完成式典を行った。新棟では素子を積層し、容量を増やす次世代の3Dメモリーを量産する。東芝は3Dの量産技術で世界シェア首位の韓国サムスン電子などに出遅れている。メモリー事業は経営再建の柱に位置付けられており、巻き返しを図れるか注目される。
新たな競争ステージ
「世界最先端の四日市工場を基点にフラッシュメモリーでリーダーシップを発揮したい」
15日に四日市工場で開いた会見で、東芝の綱川智社長はこう意気込みを語った。新第2製造棟は3Dメモリーへの製品の切り替えを加速させる重要な製造ラインだ。
NAND型フラッシュメモリーは、これまで回路の微細化で容量を増やす技術で各社が競い合ってきた。だが、微細化が限界に達したため、競争のステージは3Dに移行している。