次世代パネルの「有機EL」をめぐって韓国メーカーの鼻息が荒い。「LG電子、有機ELテレビ大衆化の準備完了」「スマホ用ディスプレー 有機EL移行なら『サムスン独走』」。猛々しい見出しが韓国メディアに躍る。パナソニックは欧州で展開する有機ELテレビを世界販売する方針を明らかにしたが、肝心のパネルはLG電子からの調達だ。一方、台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入るシャープは米アップルがiPhone(アイフォーン)に有機ELを採用することを見込み、2千億円を投じて量産体制を築く計画。“天狗(てんぐ)”になっている韓国に一矢報えるか。
販売台数3倍は楽々達成?
韓国紙、中央日報(電子版)によれば、LG電子は6月はじめ、慶尚北道亀尾にある有機ELテレビの工場をメディアに初めて公開した。同時に、2016年の有機ELテレビの販売台数を15年比3倍に増やす計画を明らかにした。
有機ELは、電圧をかけると自ら発光する材料を回路基板に付着させ、画像を映し出す。バックライトが不要で、闇を漆黒で再現できるほか、薄型化が可能となる。LGは世界に先駆け13年に高精細の大型有機ELテレビを発売、今年は全世界で90万台強の販売を目指すことになる。