音声合成ソフトのVOCALOIDに使われている人気キャラクターの初音ミクが、歌舞伎役者の中村獅童さんらと共演したことで話題になった「超歌舞伎」。この舞台で、ステージ脇にあるブースに立った中村獅童さん演じる佐藤忠信が、ステージ上に3人になって現れ、ブースで演じる獅童さんと同じ動きを見せる場面があった。
注目する人物だけを切り取って、離れた場所に臨場感ともども中継する「Kirari!」の技術。これを使って「KABUKI LION 獅子王」では、市川染五郎さんがラスベガスから日本へと分身を送り込み、「超歌舞伎」では獅童さんが分身の術を繰り出した。
歌舞伎に限らず演劇やライブの演出、スポーツ中継などにも応用できそうな技術。NTTでは「ここがスタートポイント。2020年から先を踏まえ、日本のすばらしい文化を世界に発信していける手伝いができたら」(NTTの篠原副社長)と、今後の技術開発や展開に力を入れる考えを示した。
初音ミクのように、バーチャルなキャラクターを実在しているかのように受け止め、楽しむファンも増えている。そうしたファンに向け、ゲーム開発のユークス(横浜市神奈川区)が新しく送りだそうとしているプロジェクトが、4月16日に東京・秋葉原で開催された「ARperformers βLIVE」だ。
コナミデジタルエンタテインメント(東京都港区)で「ラブプラス」や「ときめきメモリアル Girl’s Side」を手がけたゲームプロデューサーの内田明理さんが、ユークスに移り始めたプロジェクト。CGで描かれたイケメンの男性キャラクターたちが、ステージ上に投影される形で現れライブを披露する、といったものだが、決められた進行どおりに歌って踊るだけでなく、トークセッションで観客席からの問いかけに受け答えをし、要望に応じて回転やバク転といったアクションも見せた。