日本財託は先月中旬、中国人留学生の斡旋(あっせん)を行う楽商ジャパン(東京都豊島区)と共同で、日本に来たばかりの中国人留学生を主な対象とした防災啓発イベントを池袋防災館(東京都豊島区)で開催した。
企画したのは中国出身のスタッフが在籍する「国際事業課」。熊本地震の発生後、留学生から不安の声が寄せられたのを機に急遽(きゅうきょ)開催した。短期間の募集にもかかわらず、同社の管理物件に住む約20人が参加し、消火訓練などを体験した。
参加者からは「避難方法が理解できた」「水や食糧を備蓄しておくことの重要性を知った」といった意見が相次いだ。今後も定期的に実施することで「入居後も高度なフォロー体制を構築している」という点を留学生と中国に住む親に対してアピール。入居者の獲得につなげる。
2020年の東京五輪に向け、在留中国人の間で住宅の購入や居住をめぐる動きが活発化するのは必至だ。中国人は友達を紹介する傾向が強い。このため居住者の獲得に向けては、いかに顧客満足度を高められるかが鍵を握るだけに、不動産業界の間では同様のサービスが広がるとみられる。(伊藤俊祐)