パナソニック悲願の目標「10兆円」お預け 中国に足元すくわれ…道のり険しく (1/5ページ)

2016.4.30 07:14

事業方針を発表するパナソニックの津賀一宏社長=3月31日、東京都港区(伴龍二撮影)

事業方針を発表するパナソニックの津賀一宏社長=3月31日、東京都港区(伴龍二撮影)【拡大】

  • 事業方針説明会に出席したパナソニックの津賀一宏社長=3月31日午後、東京都港区
  • 事業方針を発表するパナソニックの津賀一宏社長=3月31日、東京都港区(伴龍二撮影)

 パナソニックが創業100周年の節目となる平成30年度に、連結売上高を10兆円とする目標を撤回した。巨額赤字からのV字回復を経て反転攻勢の構えをみせたものの、中国経済の減速など想定以上の環境悪化に見舞われたことで、足元の業績を下方修正すると同時に大台への挑戦も断念した格好だ。むやみに売り上げを追わず、利益を重視する方針に転換するが、成長の牽引(けんいん)役となるBtoB(企業間取引)事業での新たな収益の柱の創出や市場の変化への対応力に課題が残る。ポスト10兆円も道のりは険しい。(橋本亮)

 「悲願」達成ならず

 「10兆円は全事業で成長を加速させるための明確な目標だったが、27年度の業績予想を下方修正したことで、(目標達成への)発射台が下がった」

 3月31日、都内で行われた28年度の事業方針説明会で、津賀一宏社長は、こう説明した。

 10兆円の売上高目標はこれまで2度にわたって掲げては未達に終った「悲願」でもある。1度目は、デジタル家電を成長エンジンに据えた中期経営計画「GP3」(19~21年度)で、20年のリーマン・ショック後の世界的な景気減速が直撃して断念した。

2度目は、三洋電機の完全子会社化による環境革新企業へのシフトを…

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