2度目は、三洋電機の完全子会社化による環境革新企業へのシフトを盛り込んだ中計「GT12」(22~24年度)だったが、連結売上高は伸びず、プラズマテレビへの過剰投資などがたたって23、24年度の2年連続で連結最終損益が7千億円超の巨額赤字に陥るったことで立ち消えになった。
24年6月に就任した津賀社長は、すぐに不採算事業のリストラに着手して25年度に黒字転換した。その勢いを駆って26年3月に宣言したのが三度目となる10兆円への挑戦だ。「全事業、全従業員で成長を考えようという強いメッセージが必要」と考えたためで、創業100年目の大台達成を狙った。
家電など消費者向け事業を縮小し、安定した収益が見込めるBtoB事業を軸足にシフト。1兆円をM&A(企業の合併・買収)などを含む戦略投資に充てる計画を掲げ、売り上げ増による増益に舵を切った。
順風満帆に進んでいくかにみえたが、27年度に入ると中国の景気減速の影響が顕在化し、エアコンやノートパソコン向け電池の販売が予想以上に落ち込んだ。