行方はガスが握る
新電力の攻勢を受ける関西電力。大津地裁の仮処分決定を受け、高浜原発3、4号機(福井県)が停止し、電気料金値下げも遠のいている。
そんな中、「窓ガラスが割れた」「自宅の鍵を紛失した」といったトラブル発生時の緊急駆けつけサービスや、優待サービスの拡充などで対抗しようとしている。そして、そうしたサービスをまとめたPRポスターで、マスコットキャラクター「はぴ太」が、こんなセリフをつぶやいている。
「来年4月からガス販売の検討を進めています」
来春の都市ガスの小売り全面自由化を見据え、関電は早くも家庭向けのガス販売に意欲を見せていた。
実際、関電はすでに企業向けにガスを販売を行い、平成27年度の販売量は72万トンにのぼる。4月28日に発表した中期経営計画ではガス販売を経営の柱の1つに据え、10年後には27年度の2倍以上の170万トンまで販売量を拡大することを掲げた。ガス事業本部も新たに設けた。
八木誠社長は「(ガスの自由化という)新たな成長に向けたチャンスを生かしていく」と強調する。ガス販売では、電力自由化で守勢に回っている関電の巻き返し策になるのか。