首都圏で東ガスの次に契約を獲得しているのが石油元売りのJXエネルギー。ガソリンスタンドでなじみのある「ENEOS」ブランドを前面に出し、テレビCMなどを使った積極的な営業活動が奏功。これまでに約10万件の契約を獲得した。
電力広域的運営推進機関は8日、1日時点で新規事業者に契約を切り替えた世帯は、53万2600件に達したと発表した。3月25日時点と比べ約15万件増え、4月以降も増加している。
ただ、切り替えた世帯は、需要が大きく新規事業者の多い首都圏と関西で約9割を占める。沖縄で契約を切り替えたのはゼロで、中国電力管内でも500件と、地方では自由化の恩恵が届きにくい。
全国でも切り替えた世帯は総契約数(6260万件)の約0.9%にとどまり、本格的な切り替えはこれからだ。「価格差がない」「料金プランが複雑化して選べない」といった理由で様子見する家庭も多く、新規事業者への切り替えは「ゆっくりと上がっていく」(電力中央研究所の丸山真弘上席研究員)とみられる。