圧力はないが、空気は感じる
「そういう中で、正直に申しますと、窮屈になってきました。もうちょっと、私は自分なりの言葉、しゃべりで、皆さんを楽しませたいというような、わがままな欲求が募ってまいりました。12年、苦労してやらせていただいたという自負もありましたので、テレビ朝日にお願いをして、『引かせてください』とお願いしました。これが真相であります」
「ですから、巷の一部で、何らかの直接なプレッシャー、圧力がかかって私が辞めさせられるということは、一切ございません。そういう意味で、私のしゃべりや番組を支持してくださった方にとっては、私が急に辞めるのは裏切りにもつながります。本当にお許し下さい。申し訳ありません。私のわがままです」
「ただ、この頃は報道番組で、昔よりも開けっぴろげにいろいろな発言ができなくなりつつあるような『空気』は私も感じています」
「とっても良い言葉を聞きました。この番組のコメンテーターで、政治学者の中島(岳志)先生が、こういうことを教えてくれました。『空気を読むという特性が人間にはある。昔の偉い人もいっていた。読むから、一方向にどうしても空気は流れていってしまう。だからこそ、半面で、水をさすという言動や行為が必要だ』」
「私はその通りだ、と感銘を受けました。つるんつるんの無難な言葉で固めた番組など、ちっとも面白くありません! 人間がやっているんです。人間は少なからず、偏っています。だから、情熱をもって番組を作れば、多少は番組は偏るんです! しかし、全体的に程良いバランスに仕上げ直せば、そこに腐心をしていけば、いいのではないかという信念を私はもっています」