九州新幹線長崎ルートは3月29日、当初の予定通り平成34年度にリレー方式で開業することで、ひとまず決着した。今回の合意は、スケジュールを優先した暫定案であり、その他の課題に目をつぶったといえる。沿線自治体から鹿児島ルートと同じ全線フル規格を求める声は強まり、与党内からも「改めて議論すべきだ」との声が公然と出始めた。(村上智博)
合意文書の調印には、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームの九州新幹線検討委員会委員長の山本幸三衆院議員(福岡10区)、佐賀県の山口祥義(よしのり)知事、長崎県の中村法道知事、JR九州の青柳俊彦社長らが出席した。
国土交通省九州運輸局(福岡市博多区)の会議室で、報道陣をシャットアウトし、約20分の協議を済ませ、文書に署名した。
中村氏は記者団に、「道筋を示してもらった。34年度に向けて頑張ります」と安堵(あんど)の表情を見せた。