大谷部長は「『ドルチェ グスト』と抹茶はとても相性が良かった。狙い通りだった」と話す。だが、伝統の味わいのレベルまでもっていくには時間がかかった。モニターの消費者に「茶せんで点てた抹茶」と「コーヒーマシンの抹茶」とを何度も飲み比べてもらい、ようやく「本物と変わらない味わい」という評価を得るところまでこぎつけたという。
「宇治抹茶」の大ヒットの要因は、コーヒーマシンを使い、わずか1分足らずで抹茶が作れるというところにある。大谷部長は「コーヒーマシンと抹茶という奇想天外の結びつきがピタリと的中した。新たな着眼点をもって他の製品ともっと差別化しようと、開発にも力を入れたが、消費者の皆さんの反応は予想をはるかに上回るものだった。本格的な抹茶が、こんなに気軽に味わえるとは、とお客さんからいってもらえることが一番うれしい。これで『ドルチェ グスト』自体の売れ行きも伸びている」と話す。
今後も「宇治抹茶」に限らず、日本の消費者に支持され、可能性の広がる製品開発に取り組みたいという。