350ミリリットル缶の店頭想定価格で220円程度のスタンダードビールの販売競争が一段と激化する。サントリービールが「モルツ」を全面刷新して、“うま味”を強調した「ザ・モルツ」を8日から売り出すためだ。
ビール類の酒税を見直し、スタンダードビールを減税する方向で政府・与党が検討を進めるなか、ビール類市場で4割超を占める同市場が主戦場となるのは確実。各社は、主力ブランドに投資を集中して、他社品からの乗り換えを促し、シェアの拡大につなげる考えだ。
「スタンダードビール市場に挑戦する」。サントリービールの山田真二常務は3日のザ・モルツの新CM発表会でこう意気込んだ。ザ・モルツは、販売が低迷していたモルツの後継商品にあたり、苦みやコクなどビール本来の味わいを高めたのが特徴という。CMキャラクターには人気グループ「EXILE TRIBE」を起用し、ビール離れの進む20~30代の需要を喚起したい考えだ。
サントリービールは350ミリリットル缶で260円程度の高価格帯ビール「ザ・プレミアム・モルツ」を最主力とするが、ザ・モルツ投入で2割程度の顧客が移行すると見る。