ビール回帰? 「うまみ」「味わい」を重視

2016.2.10 12:52

 近年低迷が続いていたビールの売り上げが回復の兆しを見せている。

 ビール大手5社の2015年販売実績は、前年比0.1%増の2億1490万ケース(1ケースは大瓶20本分)と19年ぶりに前年を上回る結果となった。発泡酒と第3のビールを含むビール類が0.5%減の4億2492万ケースと前年を下回っていただけに、数字から見るとビール回帰の傾向が顕著にうかがえる。

 この結果を受けて行われた株式会社共同通信社の飲用実態調査では、ビール類のうち何が好きかという質問に対して実に89.4%が「ビール」と回答。発泡酒は49.6%、第3のビールは46.6%で、改めてビールが好きな人が大多数であることが分かった。

 続けて行われたビールを飲む量が増えそうかという質問については、全体では「変わらない」と答えた層が大半を占めたのに対して、20代は45.5%が「増えそう」「やや増えそう」と回答。世代別では若年層によりビール回帰の動きが見てとれる。

 また、どんな特徴のビールを飲んでいるのかという問いには、「うまみを感じる」(55.3%)「味わいがある」(48.8%)「コクがある」(47.1%)といった点への回答に多くが集中。反対にこれまで好まれてきた「苦みがある」(17.5%)「キレがある」(26.5%)といった点は伸び悩んだ。

 消費者は価格や銘柄よりもおいしさを重視している傾向が見えており、各メーカーも今年はビールに力を入れていく方針を示している。

 調査は1月16~18日、全国の20~60代の男女1000人を対象にインターネットを通じて行われた。

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