2016年のビール類(ビール、発泡酒、第3のビール)商戦が始まったが、主戦場はどうやらビールとなりそうだ。
アサヒビールは3月、7年ぶりとなる通常価格帯ビールの新製品「アサヒ ザ・ドリーム」を投入する。キリンビールは、都道府県別に味わいをつくり分ける「一番搾り」の派生商品を5月から順次発売していく。
サントリービールは昨年9月発売の通常価格帯ビール「ザ・モルツ」の販売を15年の2倍以上に引き上げることを目指し、高級ビール「ザ・プレミアム・モルツ<香るエール>」も3月に発売する。サッポロビールは高級ビールの「ヱビス」および主力の「黒ラベル」の派生商品を春に連続して投入していく。「とにかくビールに傾倒する」と尾賀真城サッポロビール社長は力を込める。
大手4社がみなビールに力を入れるのは「税制改正の動きが予想されるから」(ビールメーカー幹部)。
現在はビール、発泡酒、第3のビールと3層に分かれている税率格差を段階的に縮小させていき、東京オリンピック開催の20年から22年をめどに一本化させていくことを、財務省は目指している。16年度は見送られたものの、酒税改正はやがて実行されていく。ちなみに、現在350ミリリットル1缶当たりの酒税はビール77円、発泡酒47円、第3のビール28円。これを55円程度に一本化させていくとみられるが、ビールの酒税が下がり、発泡酒は少し、第3は大幅に、それぞれ上がる。