業績低迷が続く米ヤフーに解体の危機が迫っている。物言う株主がインターネット検索や電子メールサービスを含む中核事業の売却を求めてプレッシャーをかけているのだ。ヤフー経営陣は「逆スピンオフ計画」なる奇策を打ち出すなど、立て直しをあきらめていないが、株主側にはトップをすげ替えようとの動きも出ている。ヤフーは持ちこたえられるか。
スーパースターの挫折
「事業の目標達成と株主利益の実現を目指す。そのために逆スピンオフ計画に注力する」。9日、米ヤフーのメイナード・ウェブ会長が表明した。逆スピンオフ。聞いて何のことか分かる人は少ないだろう。企業が耳慣れない言葉を使い出すときは、大体かなり追い詰められている。
英フィナンシャル・タイムズ(電子版)によると、米ヤフーの営業利益は、この1年で9割近く減少。有能な社員の流出も続いているという。最高経営責任者(CEO)のマリッサ・メイヤー氏は元グーグル幹部でシリコンバレーのスーパースターともいわれた。だが、もはや成熟企業となったヤフーでは勝手が違うようだ。