【変わる携帯料金】(下)
携帯電話などの回線(周波数)を他社から借りてサービスを提供する仮想移動体通信事業者(MVNO)大手の日本通信は9日、NTTドコモの企画調整室を訪ねた。携帯電話料金の引き下げなどを議論してきた総務省の有識者会議が、電話番号や端末所在地などの利用者情報を管理する「加入者管理機能」を「開放すべき機能」と位置付ける方針となったことを受け、ドコモに協議の開始を要請したのだ。
日本通信の福田尚久社長が「定額音声通話が月980円で提供できる」と言い切るように、加入者管理機能が開放されれば価格競争力の高い多様なサービスが提供できる。例えば携帯大手3社の定額音声通話料金は1700円なので、同等のサービスを4割以上安く提供できる。
日本通信は過去にも加入者管理機能を利用した音声網の相互接続をドコモやソフトバンクに申し入れてきた。しかし携帯事業者側は「接続に当たるのか判断できない」と協議を棚上げしていた。ドコモの加藤薫社長が「安全面から応じられない」と開放を拒む姿勢だったのは、MVNOのサービス拡大を警戒していたのかもしれない。