2015.12.28 17:51
大阪・ミナミの大丸心斎橋店本館が建て替えのために30日、閉館する。米国出身の建築家、ウィリアム・メレル・ヴォーリズが手がけた名建築で、戦災や震災を乗り越え、心斎橋のランドマークとして街並みに風格を与え続けてきた。建物は外壁と内装の一部を除いて解体される。再開は4年後。従業員や周辺の商店主らは「今の建物の重厚な風格が、次の時代へも受け継がれていってほしい」と願う。(中井美樹、石見有紀)
「建築の素晴らしさに、百貨店では一番という誇りをもって働いていた」
同店営業推進部の高野弘さん(65)は、いとおしそうに本館1階の空間を見上げた。大理石や黒曜石をふんだんに使ったぜいたくさに加え、幾何学模様で埋め尽くされた華やかさの中に動物や植物など自然を感じるモチーフがある温かみが好きだったという。
今月が誕生月で、偶然にも本館が閉館する30日に、ともに退職の日を迎える。
昭和45年に入社。以来、主に展覧会や物産展を行う催し物会場の企画や展示デザインに関わってきた。