「ヴォーリズ建築」どう残す 耐震性の確保課題、岐路に立つ大阪の建物 (1/5ページ)

2015.11.1 07:05

  • 大丸心斎橋店本館1階のエレベーターホール
  • 御堂筋からみた大丸心斎橋店本館=大阪市中央区
  • 復元されたダイビル本館の中央玄関に掲げられた彫刻=大阪市北区
  • 復元されたダイビル本館の1階部分
  • 復元された大阪取引所のエントランスホール
  • 現在の大阪取引所のエントランス(手前)と高層のオフィスビル(奧)=大阪市中央区


大丸心斎橋店本館1階の天井

大丸心斎橋店本館1階の天井【拡大】

 近代日本の経済を牽引(けんいん)していた往時の大阪をしのばせる建物が岐路に立っている。築100年前後で老朽化し、耐震性の確保が課題になっているのだ。昭和8年完成の大丸心斎橋店本館(大阪市中央区)も例外ではなく、建て替えが決まった。御堂筋側の外観は保存されるが、価値が高いとされるレリーフやステンドグラスなどの内装がどこまで残るのか、今後の建物保存や利活用の試金石になりそうだ。(牛島要平)

 御堂筋のシンボル

 「子供のときは大丸の食堂でお子さまランチを食べるのがハレの日の過ごし方だった」

 大丸心斎橋店から徒歩5~6分のところに住んでいたという大阪府立大の橋爪紳也特別教授(建築史・都市文化論)は、約50年前を振り返る。

 同店本館は、米国出身の建築家、ウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計。ヴォーリズは関西を中心に多くの建物を残したが、「大丸心斎橋店本館は、昭和初期の典型的な百貨店の姿をよく伝えるヴォーリズの代表作」と語るのは、ヴォーリズ建築に詳しい大阪芸術大の山形政昭教授(建築史・建築計画)。

内装(1階部分)は幾何学模様や直線を強調する1920~30年代流行の…

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