セブン&アイ・ホールディングス(HD)とカジュアル衣料「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが、幅広い分野で業務提携に向けた交渉を行っていることが31日、分かった。いわゆる「オムニチャネル」などネット通販事業での相互協力が柱になる。
年内の提携事業開始に向けて、両社では第1弾となる事業内容を詰めている。両社と競合する他社の動きにも影響を与えそうだ。
ユニクロがインターネット通販で扱う商品の受け取りや返品をコンビニ店「セブンイレブン」の店頭でできるようにすることなどが柱となりそうだ。
全国に約1万8千店あるセブンイレブンでユニクロのネット通販商品の24時間受け取りや返品が可能となれば、ファーストリテイリングにとって顧客の利便性向上につながる。セブン&アイも来店客の増加やそれに伴う売り上げ増につながるメリットが期待できる。
物流拠点の相互活用や共同配送も検討する。セブン&アイHDは、コンビニ店に加え、総合スーパーのイトーヨーカ堂や百貨店のそごう・西武も傘下に抱えており、ユニクロも全国に展開している。物流網の効率的な活用でコスト削減につなげる。
海外市場の開拓に向け、協力関係を広げることなども検討する。