百貨店のお歳暮商戦で新しい消費行動が注目されている。贈答品といえば、かつてはビールや洗濯用洗剤が定番だったが、ここ数年こだわりのスイーツやグルメが続々と登場。こだわり商品の魅力に惹(ひ)かれて、「年の瀬のご褒美に」と自分用に購入していく客が増えているという。(池田美緒)
つい欲しくなり
高島屋大阪店(大阪市中央区)は10月14日にお歳暮用のギフトセンターをオープンし、約1千点の商品を展示。11月末までは早期割引が適用されるため、連日多くの買い物客でにぎわっている。センターの一角には「自宅用お買い得商品」の棚がある。お歳暮商品よりも簡易な包装のワインや冷凍の串揚げなどが、通常の値段の半額から8割程度で購入でき、1人で何種類かまとめ買いする客も多い。
「良い商品がたくさんあるので、自分も欲しくなります」。大阪府泉大津市の主婦、青木紀久子さん(76)は、親類や友人へのお歳暮を選びに訪れたついでに、飲茶セットを自宅用に購入していた。母親と一緒に商品を選んでいた奈良市の会社員の女性(41)も「選んでいるうちに自分も欲しくなって、つい同じものを多めに買っちゃいます」と笑顔で話した。