コンビニエンスストア大手のローソンは15日、全国約1万2200店の店舗で、流通大手イオンの電子マネー「WAON(ワオン)」の導入を始めた。ローソンのワオン導入で、流通系の電子マネーは、コンビニ大手のファミリーマートも導入しているワオンと、セブン&アイ・ホールディングスの「nanaco(ナナコ)」の2陣営に大きく分かれた。今後は両陣営による顧客の囲い込みが激しくなりそうだ。
なりふり構わぬ戦略
ローソンがイオンと手を組む背景には、セブン&アイ傘下でコンビニ最大手のセブン-イレブン・ジャパンとの差がなかなか縮まらないことに加え、業界3位のファミリーマートと業界4位のサークルKサンクスの親会社ユニーグループ・ホールディングスの経営統合が基本合意に達したことで、店舗数では大きく引き離された3位に転落することがある。
流通業界に詳しい日本経済大の西村尚純教授は「小売業界の変化は早く、各社とも(電子マネーや共通ポイントなど)自分の経済圏に顧客を囲い込むためには、なりふり構っていられない」と分析する。