国内の新車販売が低調な中で、なぜか高額な高性能スポーツカーが飛ぶように売れている。富士重工業が10月29日に400台限定で受注を始めたセダン「WRX STI」の特別仕様車が即日完売、ホンダが国内750台限定で発売した「シビック タイプR」に10倍以上の注文が殺到した。低燃費車やスポーツ用多目的車(SUV)などに販売台数は遠く及ばないが、限られた台数だからこその特別感と中高年齢層の男性を中心とした熱狂的なファンが人気を支えている。
走りと乗り心地両立
即日完売した富士重の特別仕様車「S207」は、専用チューンを施して最高出力を328馬力まで上げ、路面からの衝撃の大きさによって吸収力を変える最新サスペンションを採用するなど足回りにもこだわった。
希望小売価格は599万4000~637万2000円と同社として史上最高値。専用部品が多く通常モデルより170万円以上も高いが、「高い走行性能と、家族でも使える乗り心地の良さを両立したところが支持された」(広報部)。