だが、走りの魅力や技術を末永く支持してくれる顧客の存在は貴重だ。そこで、スポーツカーの新たなファン開拓を模索する動きもある。走りを重視した軽スポーツ車「アルト ワークス」を今月24日に復活させたスズキだ。同車は1987年からの約13年間で約26万6000台を販売。ピーク時にはアルトシリーズの販売の約2割を誇った。ターボエンジンを搭載した5速マニュアル車の新型は価格も150万9840円からに抑えた。「往年のファンに加え、若者にマニュアル車でクルマを運転する楽しさを知ってほしい」(開発担当者)との狙いだ。
さらに、トヨタ自動車も走行性能を大幅に向上した限定100台の「86 GRMN」(来年2月発売)の受注を来年1月4日~22日にウェブサイトで行う。心をくすぐる魅力的な車で、コアな自動車ファンの裾野を広げることができるか。スポーツカー人気の行方は国内新車市場の将来にも影響しそうだ。(会田聡)