MRJ開発、飛んでからが正念場 最新の安全基準、国産航空機復活のプロセス (4/4ページ)

2015.11.13 21:00

初飛行を終えたMRJの搭乗員を迎える関係者=11日午前、愛知県営名古屋空港(ヘリから、代表撮影)

初飛行を終えたMRJの搭乗員を迎える関係者=11日午前、愛知県営名古屋空港(ヘリから、代表撮影)【拡大】

  • 着陸のため愛知県営名古屋空港に向かうMRJ=11日午前11時1分、愛知県(本社ヘリから、竹川禎一郎撮影)

 「型式証明」取得へ

 米ワシントン州のグラントカウンティ国際空港は4000メートル超の滑走路を備え、米国最大級の規模を誇る。11日に初飛行を終えたMRJは、飛行試験の中心をここに移す。あらゆる安全基準に適合したことを国が審査・認定する「型式証明」の取得に向けた仕上げの作業に入るためだ。

 MRJを国内外の航空会社に引き渡すには、型式証明の取得が絶対条件となる。日米で計2500時間に及ぶ飛行試験の約8割を米国で実施し、ANAホールディングスに初号機を納入する2017年4~6月に型式証明を取得する計画だ。飛行可能な空域が限られる日本と異なり、同空港では1日に複数回の飛行試験が可能で、実証期間が短縮できるという。

 ただ旅客機の開発作業は「飛んでからが正念場」だといわれる。米ボーイングの中型機「787」も初飛行以降のトラブル発生で引き渡しが2度延期された。三菱航空機社長の森本浩通は「ANAへの納入時期を変えるつもりはない」と強調したがゴールへの道のりは、まだ半ばだ。(敬称略)

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