MRJ開発、飛んでからが正念場 最新の安全基準、国産航空機復活のプロセス (2/4ページ)

2015.11.13 21:00

初飛行を終えたMRJの搭乗員を迎える関係者=11日午前、愛知県営名古屋空港(ヘリから、代表撮影)

初飛行を終えたMRJの搭乗員を迎える関係者=11日午前、愛知県営名古屋空港(ヘリから、代表撮影)【拡大】

  • 着陸のため愛知県営名古屋空港に向かうMRJ=11日午前11時1分、愛知県(本社ヘリから、竹川禎一郎撮影)

 高速で飛行し、激しい温度変化にさらされる航空機は、強度や設計・構造、動力装置など、さまざまな項目で安全基準をクリアする必要がある。

 約10分の1サイズの精巧な模型を50メートルのプールにカタパルトで射出し、非常着水時の挙動などを確認するなど開発と並行してさまざまな実験が行われた。山口の事例はその一端にすぎない。MRJ開発は、新たな安全基準を確立する道のりでもあった。

 ゼロから審査基準

 MRJには炭素繊維などを使った新素材や、電子図面などの新設計手法といった従来ない技術も多く使われた。安全をめぐる過去のノウハウは役に立たない。

 「何をやればいいのかは分かっていたが、どう実現するかに戸惑いがあった」

 13年8月、都内で会見した三菱航空機社長の川井昭陽(現三菱重工業特別顧問)は厳しい表情で09年以降、3度目となる納入時期の延期を発表した。最大の理由は安全性の確認に時間がかかったことだ。

MRJの部品は約100万点あり、機体だけでなく…

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