そのため、気動車のキハ40系を3両編成で運行している朝のラッシュ時には対応できず、EV-E301系が走るのは主に日中だ。
しかし、蓄電池駆動電車は気動車と異なって排ガスがなく、騒音も小さい。部品点数が少なく、メンテナンスの負担が軽いのも大きな利点だ。
もともと鉄道は、輸送機関の中でも環境に与える負荷が小さい。日本全体の旅客輸送のうち約30%、貨物輸送で約4%を担っているが、CO2排出量は約4%にすぎない。それをさらに減らす取り組みを、JR東日本は続けてきた。
例えば07年、営業用として世界で初めて小海線(小淵沢-小諸)に投入した「ハイブリッド気動車」。ディーゼルエンジンで発電し、バッテリーに蓄えた電力でモーターを動かして走る構造で、ブレーキ時には、逆にモーターで電気を起こして充電できる。