国土交通省は16日、7月1日時点の都道府県地価(基準地価)を発表した。東京、大阪、名古屋の三大都市圏の商業地は3年連続で上昇、上げ幅も前年比2.3%とさらに拡大した。商業地の上昇は地方にも波及し、国交省が「地方中枢都市」に区分する札幌、仙台、広島、福岡の4市の平均は3.8%の大幅プラスで3年連続の上昇となった。沖縄や北海道のリゾート地にも投資資金が流れ込み、一部では“爆上げ”状態になっている。株価上昇や訪日外国人の急増が寄与したとみられる。一方、地方を中心に地価下落が続く地域も多く、かねて指摘されてきた地価動向の「二極化」は、都市と地方の格差から地方圏内での格差拡大に発展。安倍晋三政権の掲げる「地方再生」の一段の推進が不可欠だ。
変わりゆく東京
全国で最も上昇率が高かったのは、JR名古屋駅東口の商業地で45.7%の大幅プラス。再開発ビルの完成が相次いでいるうえ、リニア中央新幹線開業効果への期待も高まった。
地価の最高地点は10年連続で東京都中央区銀座2丁目の「明治屋銀座ビル」で、1平方メートル当たりの価格は2640万円だった。