「臭い・汚い・暗い」の“3Kトイレ”の代表格だった大阪市営地下鉄のトイレが女性にやさしいトイレに生まれ変わったと評判だ。「おもてなしの心」をコンセプトに、女性用トイレには「音姫」や化粧直し用の「パウダーコーナー」を完備。着替え室まで備えているところもある。もはやトイレを超えたオシャレ空間に、くつろぎ過ぎて弁当を広げる客まで現れた。今月には国が主催する「日本トイレ大賞」も受賞。“美しすぎるトイレ”に変貌を遂げた秘訣(ひけつ)について橋下徹市長を直撃すると、「小さいことから結果を出すという僕の施策の象徴例。非常に誇らしく思っている」と笑顔で大絶賛した。(北村博子)
長居したくなるトイレ
新幹線と連絡する大阪の玄関口、地下鉄御堂筋線の新大阪駅。リニューアルされた女性用トイレに入ると、白を基調にした広々とした空間が広がる。中央には独立した大きな手洗い場があり、アクセントに飾られた造花のグリーンが目にさわやかだ。
左手には新たに設置されたパウダールームが。ブースごとに鏡やカバンを置く台、小物置き、ゴミ箱まで備え付けられている。奥の一角には洋服店の「フィッティングルーム」のような着替え室まで用意するなど至れり尽くせりで、「本当に地下鉄のトイレ?」と驚くばかりだ。女性がひっきりなしに出入りするのは、使い勝手のいい証拠だろう。