関西国際空港と大阪(伊丹)空港を運営する予定の特定目的会社(SPC)の出資をめぐり、関西企業に波紋が広がっている。入札に唯一名乗りを上げたオリックスと仏空港運営大手バンシ・エアポートの企業連合による呼びかけに約30社が応じる意向を示す一方、関空に電車を乗り入れるJR西日本が見送ったのだ。事業性や本業との相乗効果の観点で慎重だった企業も「オール関西」の旗印に応じたケースが少なくないなか、JR西の不参加には社内外から「違和感がある」との声も上がっている。(松岡達郎 橋本亮)
奉加帳方式に疑問
「何もお金が惜しかったから出資を見送ったわけではない」。こう話すのはJR西首脳だ。
いわく「単に『奉加帳方式』で、関西企業の付き合いの横並びで金銭を集めたりしても本当に空港運営がうまくいくのか疑問だ」と指摘。その上で「オリックスとバンシが自分たちだけでもできるという意気込みを持って臨まないとうまくいかない。別に出資しなくても関空や伊丹と連携できることはある」と訴えた。