地球温暖化対策に熱心な欧州でパナソニックが省エネ機器の事業を強化している。2009年に大気中の熱を取り入れるヒートポンプ式の温水暖房機で参入し、14年には家庭用燃料電池を発売。家庭用蓄電池の販売も視野に入れる。ドイツの大学とは暖房機器の電力制御の共同研究を行っている。欧州では省エネ機器の市場が20年には15年の2倍以上になると予測されており、取り込みをねらっている。(ドイツ西部アーヘン 藤原直樹)
オランダとベルギーに国境を接するドイツ西部の街アーヘン。カール大帝ゆかりの古都でパナソニックはアーヘン工科大学と11年からヒートポンプ式暖房機を利用した省エネ制御を共同研究している。
冬の寒さが厳しいドイツでは、住宅の消費エネルギーの72%を暖房機器が占める。それだけに暖房における省エネの重要性は高く、共同研究の成果に期待が高まっている。