日本電産を一代で精密小型モーター世界最大手に育て上げた永守重信会長兼社長(70)の後継者選びに注目が集まっている。有価証券報告書のリスク項目で「永守氏の突然の離脱が経営に悪影響を及ぼす」と言及されるだけに、カリスマ経営者の次の経営体制づくりは課題ともいえ、株主総会後の記者会見でも質問が相次いだ。永守氏は「今は決める段階ではない」と煙に巻いたが、その一方で「時間をかけて一生懸命働いてくれて実績の上がった人にバトンを渡したい」と語った。(牛島要平)
後継者の条件
「うちの場合は実績主義なんでね。だれが一番大きな売り上げと利益に貢献するか。ソフトバンクみたいに突然、外人を連れてきたりというのはないね」
6月23日、京都市内で開かれた株主総会後の記者会見で、後継者についての質問に対し、永守氏はこう答えた。
同日付で代表取締役に昇格した元シャープ社長の片山幹雄副会長(57)=最高技術責任者(CTO)=については「片山なんかでも(あらゆるものをネットにつなげる)インターネット・オブ・シングス(IoT)のビジネスで(売上高を)数兆円にしたら候補に挙がってくるだろうしね」と語った。