とはいえ、排気ガスが出ない代わりに、レースの醍醐味(だいごみ)である重低音の爆音が出ない静かなレースのため、北京での開幕戦を観た伝説的な元F1レーサー、ニキ・ラウダ氏(66)が「最低のものを観た。マシンはくるくる回るおもちゃのようだ。これはモータースポーツではない」と激怒するなど、批判の声もけっこうありました。
しかし、各国でテレビ放映権が予想以上の売れ行きだったこともあり、フォーミュラEのアレハンドロ・アガグ最高経営責任者(CEO)は今年5月の会見で、来シーズンはパリなどで開催し、今シーズンより2レース増やす意向を早々と示すなど、より積極的な展開をめざす考えを示していました。
実際、米マイアミとロングビーチで行われた第5、6戦(今年3月14日と4月4日)を放映した米FOXスポーツが、視聴者数の予想以上の多さから、放映のための契約を2020年まで延長したほどです。
そして今回のロンドンでのレースでも、開催場所が都心部だったことに加え、チケット代がF1の6分の1以下の15ポンド(約2900円)と安いうえ、10歳未満の子供は無料だったため、多くが家族総出で見物に訪れるなど、結局2日間で計6万人が押し寄せる大盛況ぶり。6月27日の第10戦は英国内で約46万人がテレビ視聴したといいます。