さて、今週ご紹介するエンターテインメントは、本コラム初となるモータースポーツのお話でございます。
最近は、名うての米起業家イーロン・マスク氏(44)が率いるテスラ・モーターズなどの積極販売で俄然(がぜん)、注目を浴びる電気自動車(EV)なのですが、このEVがモータースポーツにまで進出し、世界の自動車レースの最高峰「フォーミュラ1(F1)」を追い抜く存在になるのではないかと欧米の自動車業界やモータースポーツ界が騒然としているというのです…。
その存在とは「F1」に対抗すべく、国際自動車連盟(FIA)が発案した「フォーミュラE」です。排出ガスを出さないため環境に優しく、都心部での大気汚染対策として将来有望とされるEVを若者に普及させるために登場した、EVが市街地の公道を爆走する初の世界選手権レースなのです。
実は静かになっていた
昨年9月13日の北京から初年度のシーズンが開幕し、6月28日、最終戦となる第11戦がロンドンで行われたのですが、当初、迫力ある排気音(エキゾーストノート)が轟(とどろ)かないEVが走るレースとあって「あんなん、おもちゃみたいな車が走っとるだけや」と揶揄(やゆ)する声や、集客問題などで先行きを懸念(けねん)する見方も多かったのですが、何と、ふたを開ければロンドンで行われた10、11戦の2日間で計約6万人が押し寄せるなど、悪評をはねのける大成功を収めたのです。