ソニーの平井一夫社長は18日、東京都港区の本社で経営方針説明会を開き、最終年度に20年ぶりの水準となる営業利益「5000億円以上」を目標とする2015~17年度の中期経営計画を発表した。資本をどれだけ効率的に使っているかを示す株主資本利益率(ROE)は「10%以上」を目指し、利益重視の姿勢を強調。事業部門は原則、分社化して独立採算を強める方針も明らかにした。テレビや音響機器などの代表的な家電に代わり、外販が中心の画像センサーやゲーム、映画、音楽事業を牽引(けんいん)役に、会社を成長軌道に戻したい考えだ。
平井社長が説明会で繰り返したソニーの将来像は「高収益企業」だ。今月、14年度の営業損益見通しを赤字から黒字に転換したとはいえ、水準は200億円に過ぎない。売上高8兆円に対する営業利益率はわずか0.25%。こうした状況から、早期に脱したい思いをにじませた。
ただ、5000億円は最高益だった1997年度の5300億円以来の水準で、ハードルは高い。達成に向け平井社長は、ソニーが競争力を持つ分野に投資を集中させる方針を示した。具体的には、スマートフォン向け画像センサーの販売が好調な「デバイス」、据え置き型ゲーム機のプレイステーション4が人気の「ゲーム」、「映画」「音楽」の4事業だ。デバイスについてはすでに、15年度に1050億円を投資し、画像センサーを増産する方針を打ち出している。