業界では、競技用自転車とはまったく接点のなかったメーカーによる異業種参入に、当初こそ懐疑的だったが、実業団チームを擁している専門ショップなどから「最初からこれほどいいものが出てくるとは予想していなかった」との評価も聞かれるようになったという。
欧州老舗が存在感
ただ、こうして生まれた高性能ロードバイクが国際舞台でどこまで通用するかは未知数だ。
実は海外レースで日本製ロードバイクの存在感は薄い。例えばツール・ド・フランスではイタリアをはじめとする欧州の老舗メーカーが幅を利かせており、国内勢では、わずかに1981年にミヤタサイクル(東京都港区)が製造したクロムモリブデン鋼(強度の高い鉄)製で区間優勝を果たした実績があるだけ。レース用自転車がカーボン全盛の時代に移って以降、日本製は第一線の国際舞台からほとんど姿を消した。